こんなことあってはいけないのに、思わずやってしまったのだ…。ソレスタ ルビーイングに入ったばかりなのにマイスターに迷惑をかけるだなんて…! それは私にとって平和な日常が地獄へ堕ちる瞬間だった。事の始まりはクリ スティナとの小さな争いから始まった。

「ありえない!コーヒーに牛乳入れるのに砂糖を入れないだなんて!!」
「クリス…別にどっちでも良いじゃん…。」
「だめよ!入れなさい!」
「なんで!?私コーヒーが甘いのは嫌い…って何入れようとしてんの?!」
「いれたもん勝ちよ!」
「意味わからないし!アレルヤの入れてくれた久々のコーヒーなのに!!」
「だからより美味しくしてあげようとしてるのに…!」
「それ違うっ!!」

しつこいクリスから逃げる為、談話室を出て自分の部屋へ向かった。途中任 務から帰還した刹那達を見てアイコンタクトでヘルプを訴えたが聞いてはく れなかった。私専用の飲み物チューブに向かって手を伸ばしてくるクリスが 少し、いや、とてつもなく怖かったのは言うまでもない。

「さぁ!砂糖をいれるのよ!」
「離して下さいっ!!」

チューブの取り合いになり、私がおもいっきりひっぱるとチューブの蓋はと れ、中身が綺麗に宙を舞った。が、それだけでは済まさなかった。

「「あ、」」

べしゃ
これまた漫画のような効果音と共に私のコーヒーはティエリアの服へとダイ ブした。

「…っ!!何をする?!」
「ひぃ!ななななんで私だけ…クリスだって……あれ?」
「あ?」
「ひっ!」

鬼がいる!!今私の目の前に鬼がいる!!
怒られるよ!つかクリスなにさり気にティエリアに気付かれずに逃げてんだ よ!!もういや・・・私、喰われる!!でもあきらめる前にとりあえず言い訳け を述べても罰は当たらない!はず・・・。とりあえず謝れば許してくれるか、も ?

「てぃ、ティエリアごめん!その、人が出てくるだなんて、分からなくて・・・」
「・・・。」
「え、っと!服私が洗うから!許して、ね?」
「はぁ………。」
「(ため息ついた・・・!)本当にごめんなさい!!わざとじゃないの!!」

今度こそ絶対怒られる!!そりゃ私が悪いのかもしれないけど、クリスだって ・・・。一人思考を張り巡らされているとティエリアが屈み、床に落ちた私のボ トルを広い私に渡してこう言った。

「次は、気をつけろ。」
「え?・・・あ、うん。」



ファースト・インプレッション
( こ わ い → か っ こ い い )



080408 ファースト・インプレッション=第一印象