菫色








「ボスー!!またスクアーロが殴った!!」

「な!が悪いんだろ?!それとなんでザンザスばっか頼ってるんだぁ!」



それがいつもの日常。
でも昨日はスクアーロと喧嘩して、スクアーロは怒ったまま。いいがげん俺はこ んなこといやだぞぉ!!って言いながらどっか行った。(どこかっていってもスク アーロの部屋しかないんだけど、さ!) 机の端に置いてあるシンプルなデジタル時計を見ると午後6時を指していた。そ ういえばアフタヌーンティーを飲んでないな、なんて思いながらベットから窓の 外の暗くなった空を見上げながらスクアーロが頭に浮かんだ。



「って、ちっがーう!なんでスクアーロの事考えなきゃいけないの!」



気分転換にルッスーリアの所まで行く事にした。そういえばルッスーリアに料理 本返してないな、あれ?ボスと一緒にアフタヌーンティー飲むのって今日だった け?後で謝りに行こう!きっと許してくれるよ、スクアーロも、いい加減機嫌直 してほしてよ。調子狂う…。



「ルッスーリアー」

「あら、噂をすればじゃない」

「噂って私の…スクアーロ?!なんでいんの?」

「俺がいちゃ悪いかぁ?邪魔の様だなぁ、俺は戻るぜ。」


スクアーロは私の立つドアへ向かってきた。とくん、とくん、と心臓が鼓動を刻 む。心が痛くて、顔が赤い。私は顔を上げられなかった。上げたら自分が自分で なくなってしまいそう。けれどスクアーロは私の横を無言で通り過ぎた。スクア ーロが乗せた風が私の頬にあたる。私、何やってるんだろう。 軋んだ音を立てながらドアは閉まる。途端にルッスーリアが声を掛けた。


「スクアーロの話できたんでしょう?あなたの好きなハーブティーをつくるわよ 。それで心を落ち着かせたら、話をしましょう?」
「……ありがと、オカマ。」
「オカマじゃないわ、おねぇさまよ…。」



・・・



「スクアーロはボスに嫉妬してるのよ。」

「?…なんで?」

「だっていっつもってボスに頼るじゃない?」

「まぁ…うん。」

「スクアーロは頼って欲しいのよ、に。」

「…でもスクアーロに私嫌われてるよ。いつもつっかかってくるし…。」

「そぉね…じゃあ聞いてきなさいよ。この際告白しちゃいなさい。」

「む、無理です!」

「……情報部の女子達がスクアーロ狙ってるらしいわよ?」

「い、いく!行きます行きます!」



スクアーロが誰かと幸せそーに笑ってるとこなんて見たくない!私は嫌な予感が してルッスーリアにお礼を言って部屋を飛び出した。
スクアーロの部屋にはいなかった。他に行く場所なんて海の見えるベランダ…だ けだと思う。走って行ってみたら本当にいた。



「スク、」

「…。」

「無視しないでよ、」

「うぜぇぞぉ」



だんまり、でもスクアーロにまだしたことないこといっぱいある。まだ言ったこ とない最終兵器だってあるのよ。そんな一言で私は傷つかないわ!



頬に小さなリップ音。



「スクアーロすき!」

「…っはぁ?!」






最終兵器愛。
( 無邪気な恋は菫色! )



080616