若くしてミルフィオーレの技術者になり、今まで機械以外である人間に
興味をもたなかった(入江隊長を除いて)彼が、私に興味を持ったことを
。私はただのホワイトスペルの入江部隊副隊長であって、彼が好きな機
械になんかもなんも接点がないはずなのだ。以前にどうして私が好きな
のかと聞いたことがある。その返事が「ただを好きだから」という一
言だった。
別に私は"スパナ"が嫌いなわけじゃない。今まで一つも関わりをもって
いなかったから彼の事をプロフィール以外なにも知らない。信用出来な
いのだ。以前に入江隊長にスパナはいい人だと言われたが自分が見て感
じなければだめだと思ったのだ。
「ウチの事をどう思ってもいい、そばに居てくれればそれでいい…」
そんな言葉を言われたのはいつだろうか、断る余裕もなく、ほぼ強制的
に休みの日にはスパナの部屋に連れて来られ、いつもと同じ日本茶を出
されて私はずっと彼の部屋のソファでその一日を過ごすことになる。
この退屈な時間には初めはどうしようかテンパっていたのだが、最近では
仕事の書類等を持って来て此処でやりはじめた。初めはうるさくて仕方
がなかった機械音も今ではただの効果音にしか過ぎない。それくらい、
私はこの場所に慣れたのだ。
「仕事熱心なんだな、」
「そうでもないわ」
「…そう」
「…ねぇ、私の思いは知らなくてもいいの?」
「いいわけない、知りたい。けどこんな他人をどう思ってるかなんて決まってる。」
「でも、そういうのって聞いてみないとわからないものじゃない?」
「…ウチのこと、気になり出した?」
「え…」
機械音がゆっくり止んだ。
スパナがゴーグルを頭の上に上げて手袋を外しこちらに向かってくる。
「…機械みたいに、不完全なものから完全なものになるように、片思いから
両思いにさせる事ができたらいいと思わないか?」
「は…?」
目の前まで来たスパナは私を見下ろしている。私はただ目の前にいるスパ
ナを見上げる事しか出来なかった。
スパナは腕を伸ばし私の肩のすぐ横、ソファーの背もたれの部分に手をつ
く。屈んだスパナの顔は私の目の前にある。ギシ、とソファーが音をあげた。
「ス…パナ?」
「…
が好きだ、はウチのことどう思う?」
「…いい人、よ」
「そうじゃない…好きか嫌いか」
「…まだ、わからないわ。あなたの事を知らないもの…」
なんだか顔が見れなくて、目をふと反らした。その途端不意に片頬に手をあ
てられ、ふっと顔の前に影ができ、暗くなる。手を添えられていない方の頬
の唇のすぐ横、何かが触れた。
「なっ、なに?」
「ウチがわからないって言った。これからウチのことはこれから知ればいい
。嫌いだったらウチを突き放せばいい。もう我慢できない。」
「!…私、」
見ず知らずの人だった人にキスされるのは嫌だ。けど、スパナと一緒にいた
時間で、スパナの事を少なくともたくさん知った。今触れられている部分は
熱を持ってきて、スパナがすごく近くにいるという事で心臓がすごくうるさ
く鳴っている。たぶん、仮説、私はスパナを好きなのかもしれない…
「わ、たし…スパナが好きかどうかなんてわからない。けど、スパナなら、
好きになれるかもしれないわ。」
「!…そう、か」
自分でも何を言っているんだろうかと思ったけどそれを否定しようだなんて
気もなかった。スパナは私の言葉に一度驚いて、目を見開いた。そのあとい
つもと変わらない声で相槌をうち、顔を近付けた。
私も拒む様子はなく、ただスパナが触れてくれることを待っていた。なぜだ
かわからない、こんなにも胸がどきどきするのは。顔が近くなる。顔を見つ
めていても近すぎて焦点が合わなくなると私は自然と目を閉じた。啄むよう
なキス、体はどんどん熱くなって、スパナは背もたれについていた手を離し
、私の後頭部に回した。それにつられて私も腕をスパナの首に回す。
それを合図に、ぐらりと体を押されてソファーに倒れ込む。背中にはソファー、目の前にはスパナと天井。
「もう逃げれないぞ」
「私が貴方を放さないわ」
貴方はいつも浪漫主義
いつだって貴方は感情的で理想的だったわね、
080609
エロに突っ走ろうとしていました←
自制自制…(´∀`;)
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