朝、目が覚めて隣にいる晋助を起こさないように布団から抜け出し 朝ごはんの準備をしに行く。今日は味噌汁の具を何にしようか、魚 はアジにしようか、漬物はきゅうりにしようか、どうだったら晋助 は喜んでくれるかな?そんなことばかり頭に浮かべながら低血圧で 起きられない晋助の寝顔を思い出しくすり笑う。



「なァにニヤけてんだ?」

「うわ!」

「色気のねぇ声だなァ…」



茶碗を取りに行こうとするといきなり後ろから手を引かれ、私はその 反動で後ろへ倒れこむ。背中には痛いという感触はなく、暖かかった 。後ろを振り返ればまだこの時間には起きてこないはずの晋助がそこ にいた。眠たそうな目をして抱き止めた私を湯たんぽみたいに抱きし める。肌蹴た寝着にどきりとくるけど今はそれより晋助の言葉が気に 食わない。



「色気がないってなによ!ごめんなさいね私に色気がなくて!」

「別に色気が欲しいなんざ誰も言ってねぇよ」

「あっそ!てか離してよ!今ご飯作ってるの!」



朝ごはんはもうすでにできている。けど、普段あまりしないことにいま だに慣れなくて、後ろから抱きしめられているとか恥ずかしすぎる。



「なんだ?照れてるのか?」

「照れてない!」



反抗したのに晋助は喉でクツクツと笑う。余計に恥ずかしくなり晋助の 腕の中でうずくまる。抱きしめられている後ろで晋助の吐息は私にかか ってくすぐったく、すごく恥ずかしい。



「晋助、離して!」

「、あったけぇな…」



私の言葉を一言も聞かず、晋助は言う。人をホッカイロみたいに…と途端 に体が宙に浮いた。びっくりして横にいる晋助に思わず抱き着いた。晋助 はそのまま寝室へと向かう。バタバタと抵抗しても反応しなくて、むしろ 恥ずかしくなってしまい手で自分の顔を隠していた。いきなり足を止めた と思うと晋助は私をベットへ降ろし、そのあと晋助もベットへ入ってきた。



「ちょ、晋助!!」

「うるせぇ、眠いんだ。寝るぞ。」



抱き枕のように晋助に抱きしめられたまま、私は居て寝ると言っても胸の ドキドキが収まらず寝れなかった。しばらくもしないうちに晋助からは規 則正しい寝息が聞こえるようになり、私は晋助の腕のなかで晋助の顔を見 てくすり、笑った。幸せすぎて、こんなにも愛しいものが私の目の前にあ ることがなによりもうれしかった。



「おやすみなさい、晋助」






熟れすぎた夢
(溢れ出た幸せを零さないように抱きしめて寝た。)







090414 
メルの中の晋助はとびっきりエロいでs(ry
フミでのリクエスト作品。朔良様へ捧げます。