「って凖太サンがほんっと好きっすよね」

「「「は?」」」



そう利央以外の三人、つまり私たちがマヌケな声をそろえてマヌケな顔を したのは言うまでもない。だいたい、部活が終わった途端、凖太先輩と利 央と慎吾先輩で明日の練習メニューを話していたというのに何をいいだす のかコイツは…と思っていたらコイツ、さらりと私の片思いをばらしやが ったのだ。でもそう呑気に言っている場合でもなさそうなんだ。だって現 に目の前には三つの壁があるのだから!!



「…うそだよな?。お前凖太じゃなくて俺がす…」

「なに気持ち悪いこと言っているんですか?慎吾先輩。」



1つ目、妹のように可愛がってくれてる慎吾先輩の過保護な態度への対処 法。…だれか先輩を止めて。



「うそじゃないっスよ!が俺に相談…」

「利央?何を言っているの?いい加減にしないとあの写真バラすよ?」



2つ目、事の始まりの元凶の利央の一度話したら気が済むまで話し掛ける しつこさへの対処法。利央は慎吾先輩とは違って物分かりがいい。けど今 の状況からして黙らせたのはいいけど…



「」

「!!あの、今の事はきにしないでください!利央の悪ふざけですから…」



そして3つ目は、私の好意を聞いてしまった本人凖太先輩の反応への心構 え。凖太先輩の返事なんてききたくないよ!!利央のばかあああ!!!!凖太 先輩がずっとこっちみてんじゃないか!!



「が好きって言ってんのは先輩としての好きだろ?」

「「え?」」



利央と慎吾先輩が固まった。私は凖太先輩の言葉に泣きたくなった。なん だ…先輩後輩の関係だけか…そうだよね、凖太先輩みたいなすごい人がが 私なんか目にも止めてくれないよね…



「、」

「へ?!は、はい。」

「ぷっ!!な、なんて顔してっ…くっはははは!!!!」

「なっ!!違いますって!!利央と慎吾先輩の方がひどいですよ!!」

「ははは!!あ、お前監督に呼ばれてたぜ?俺も用があるから一緒に行こ うぜ」

「あ、はい。…利央と慎吾先輩、ちゃんと練習行ってくださいね。」



呆然している二人に声をかけ、準太先輩と監督の所へむかった。無言でひ たすら二人で歩いていて、沈黙がかなり怖かった。そのまえにさっき言わ れた言葉に私は撃沈していた。



「なあ、」

「へ!?あ、はい、なんですか?」

「…やっぱりお前おかしくねぇか?」

「そんなことないですっ!」

「お前顔赤い。」

「!ち、ちょっと暑いですよね。」



すごくあやしいがられてる目でみてくる。ごまかそうとしたら余計あやし まられた。なんとか逃げ切れる言い訳や話題を考えていたら先輩が口を開 いた。



「俺が当ててやろうか?」

「へ?」

「お前の顔が赤い理由。…そのまえに、やらなきゃいけないことがあるん だ。」

「…やらないといけないこと?」

「そ、俺ね、が好きなんだよね。」

「はいはい、準太先輩がわたし…はぁ?」

「ぷっ」

「わ、笑わないでください!準太先輩が??誰を?!」

「がすき」

「!!(ふい、うち!)」

「も俺が好きって利央に聞いたんだ、だから恥ずかしくて赤くなっ てたんだろ?」



恥ずかしくて死にそうだ。全部ばれてる。あああ!ますます準太先輩がか っこいいよ!!目も見れない。



「で、返事は?」

「わ、私も…準太先輩が好き、です。」

「!…」

「はい?」



名前を呼ばれ顔をあげると先輩の両手で頬が掴まれたと思うと先輩の顔が 近くなって唇の近くに柔らかい感触がふってきた。



「なっ!」

「今日はここで我慢する、止まんなくなる…うし!俺は監督んとこ行くか ら。ちなみにお前の呼び出しは、うそ。」



走って行った先輩の背を見て、ひとりその場に立ち尽くした。騙された…。







ナチュラルトレジャー
(天然なのか、狙っているのかという件)






080918

すらんぷだよ!じゅんたじゃないよ!! ちなみにあの写真ってのはきっとりおうの幼少の女装しゃし…(自重)