あれ、走ってる!こんなに暑い夏に走りたくなんてないからもう外では走りませんと誓ったの に必死に走ってるよ!!なんでこんなことになったのかは多分さっきの同じクラスの友達の噂 話の所為だと思う。
美人で有名な同じ学年の夏目さんが榛名に告白しに行ったという。幼馴染として恋心を持って いる私にはもちろん榛名が涼音先輩にフラれたことは知っている。今の榛名はまだショックが 残っているからきっとちゃっかり告白を受けちゃうかもしれない。そんなの嫌だと思った。だ から私は告白場所に走って行ってるのだ。

「とは言ってもどこ!?」

夏の日、甲子園が始まったばかりの暑い夏の日。
校舎を走るのが今年の夏初めてだった。そういえばと思考をめぐらせ、一つ友人の言葉が浮か んだ。"最近ある場所で告白をすると恋が実るって場所があるの!その場所がね…"

「南校舎の一番大きな桜の木の下…」

急いで足を走らせた。
ちょうど今居る場所が北棟の1階。ここからだったら近いはず…。途中で先生に走るなと怒鳴 られたけど今はそんなの関係ない、急がなくちゃいけないんだ。ローファーを無造作に剥ぎ取 り手早く履き、桜の木の下へ向かった。だんだんの校舎の角が見えてきてスピードを落とした 。気付かれないように覗き込んだ。

「あ、れ?い…いない…」
「ちゃん?榛名でも探してるの?」

振り返ると宮下先輩がいた。よりにも寄ってこんなときに会う人が宮下先輩だなんて…でも今 はそれど頃じゃない。

「はい、どこにいったか分かりますか?!」
「えっとね、さっき自転車庫のほうに行くって言ってたよ。」
「あ、ありがとうございます!!」

疲れる足を無理矢理走らせ自転車庫へ向かった。だんだんと屋根が見えてくると自転車を引い た榛名が見えた。息が切れているが残っている力を振り出し名前を呼んだ。

「はる、な!!」
こっちに気が付き、振り向いた彼は笑顔でこっちに手を振った。嫌な予感がした、告白を受け たのではないかと。もう少し自分が早ければ止められたかも知れないのに…。

「どうした?、息切らして…」
「えっ…と、告白されてたんでしょ?その…受けたの?」
「なーんだよ、。そんなに俺が気になるのか?」
「ちっちがうわよばか!あんたのファンに聞かれたの!」

ごめん、うそ。
でも本当、だって榛名が、すき、だし?でもファンなんかよりは負けない。

「知りたいか?」
「…いいから、受けたか受けなかったのかだけでもいいから言ってよ。」

榛名はじぃっと私を見つめて考えるそぶりをしてみせた。それがじれったくて急かした。

「榛名!どっちなの?」

その言葉が空間に放たれたとき自転車に体重を掛けて軋む音がした途端、榛名の顔がどアップに なり、唇に何かが触れた。

「え、」
「これが答えだ。」

いきなりの事に頭が追い付けずフリーズしてしまった。先程の唇に触れた感覚はキスだと理解す ると顔に血が上るのがわかり動揺した。(正直言うとキスにはときめいた)

「アハハハ!、顔真っ赤でさらに超マヌケ顔だぜ?!隆也に写メ送りてーぐれぇ!!」
「ば、ばか!いきなりなにすんのよ!!って携帯出して写メしようとすんな!!」
「わりぃ、悪かったって!…で?返事は?」

なにするんだという勢いで榛名の胸板殴ってるといきなり声色かえてびっくりして顔あげたらい きなり腕を掴まれて真剣な顔された。

「はなしてよ、」
「俺はあんなことまでしたんだぜ?返事ぐれぇほしいんだけど。」

やばい、本気の目だ。榛名は本気で怒ると怖い。いまここで気持ちを伝えないでいつするのか、 そうかんがえるとまた体が脈をうった。

「榛名が、すきだよ」
「!…!!」

恥ずかしながらも言ってやれば今度は榛名が固まり、いきなり名前を呼ばれた。

「な、なに?」
「俺もが好き、つか愛してる。」





自転車越しのキス
(本日二度目のときめき)






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