インターホンの音で眠りかけていたのが覚めた。…今は何時だ?時計を見てみると 午後11時半過ぎを回っていた。たっく、誰だよこんな時間に…大家か?家賃を払 うのはまだ先のはず。つか、今日はからプレゼントやらデートをして最高 潮なのに…そんなことを思っているとまたインターホンが鳴った。電気は消してい るし居留守をすることにでもした。これでドアの向こうの奴も消えてくれると思っ た矢先またインターホンが鳴った。気にしたら負けだと怒りを押さえ無視した。む しろドアの向こうの相手は去るばかりか、インターホンをしつこく押してくる。絶 対大家じゃない。


「だああああ!うっせぇんだよ!誰だ!こんな夜中に…」

「こんばんわ」

「あ」


おもいっきり扉を開けると外にはカーデガンを羽織ったがいた。怒られる、 そう思い慌てふためいていると、が膨れた。


「…ばーか、メールしたのに。」

「わ、わりぃ、気付かなかった。」

「散歩に行きたいんだけど一人じゃつまんなくて…」

「俺も行けと?」

「暇なんだからいいでしょ?」


溜息をつきたいのを我慢して、肌寒い風を避けるために上着をひっつかみ彼女と出 掛けた。



★ ★ ★




夜遅いからの家までの道を遠回りしながら歩いていた。今日のデートのこと とか、友達がっていう話とか、いろいろ話しているうちにの家が見えた。


「獄寺、」

「あ?」

「もうちょっとで誕生日終わっちゃうね、」

「…まあな、今日はありがとうな、ギリギリまで一緒にいられるとは思ってなかった ぜ。」

「…獄寺、あたし獄寺が生まれてきてくれたことすごく感謝してる!改めてお誕生日 おめでとう。」

「ああ、」

「あ、ここまででいいよ!」
「…おう、じゃあな、」


名残惜しかったがこれ以上一緒にいると彼女をどこかに連れ去ってしまいそうだ。踵 を返し、来た道を戻ろうとしてふと名前を呼ばれた。


「獄寺!」

「なん、」


振り返えるとは後ろにいて顔が近かった。突然の事に頭を混乱させていると、 自分の唇に彼女の唇が重なった。恥ずかしくて顔がすぐに真っ赤になった。触れた唇 が離れた時にははすぐに下を向いた。


「じゃあ、ね!また明日!おやすみ!」


腕に付いている時計に目をやった。23時59分、そして、ぴったり24時になった。








真夜中の浅瀬
(誕生日が終わるまで一分、最後のプレゼントはかわいい彼女からのキス)







UP LOAD → 080913
HAPPY BIRTH DAY → 080909
TO → GTO